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不定期連載 エアプランツ①特徴と育て方

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根無し草をご存じだろうか。
今回お話ししたいのは浮草でも、ふらふら生活でもなく、根の無い植物のエアプランツについてです。
エアプランツは土が要らない植物であるため、インテリアをお洒落に飾るために最適と、一時期もてはやされました。ただ、インテリアお洒落要素が先行してしまったためエアプランツの正しい育て方や特徴は、あまり知られていません。
そこで、不本意にも「エアプランツを家族より大事にしている疑惑」をかけられている筆者が、実体験に基づくエアプランツとの交流方法(育て方)を啓発したいと思います。

 

1 エアプランツとは

エアプランツとは、正式名称がチランジア(Tillandsia)のハナアナナス属パイナップル科の植物です。南アメリカや北アメリカの南部に多く、高地から森の中、果ては砂漠まで、さまざまな場所に自生しています。
パイナップル科と言われても、エアプランツたちにパイナップルを感じる瞬間はほぼ、ありません。というか、種類によって大きさも葉の形もさまざまで、土に根を張らないこと以外の共通点を見いだせないのが正直なところ。そういう枠にとらわれない姿もエアプランツの魅力なのかもしれませんね。

 

2 エアプランツの特徴

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エアプランツ最大の特徴とは、土を全く必要としないことです。それ以外にも、水や日照のこと、殖え方などエアプランツには意外な特徴があります。

(1)土はいらない

エアプランツは、条件がそろうと根は生えますが、根に水分や栄養を吸収する機能はありません。そのため他の植物が根を使って土から吸収している水や栄養を、葉を使って主に空気中から吸収しています。ですから、喜ばしいことに土はいりません。
筆者がエアプランツを集め始めた経緯も、ここにあります。土のあるところに虫は現れる…虫が苦手なひとがきっと人生で一度は直面するであろう、観葉植物の土問題。そんな大問題を一瞬で解決するのが土の要らないエアプランツです。集めて、殖えて、現在10体のエアプランツが絶賛、生息中。きっと、まだ殖えます。

(2)水、光、温度にはこだわる

エアプランツは、水や光、ついでに通風や温度管理も必要です。というのが今回、一番お伝えしたかったポイントです。世間で頻発している悲惨なエアプランツミイラ化事件など、数々の「気づいたらエアプランツ枯れたんだけど」の悲劇は起きないでしょう。詳しくは「3育て方」をご覧ください。

(3)気ままに花を咲かせ、勝手に殖える

エアプランツは時折、花を咲かせ、花が枯れてしばらくすると子株ができます。ただ、開花時期や出来る子株の個数は決まっていません。一般的には、エアプランツの成長期である春や秋に開花しやすいと言われています。
筆者のエアプランツもご多分にもれず、気まぐれです。冬でも気ままに花を咲かせては子株を殖やしたかと思えば、1年間、花を咲かせないこともあります。型に縛られるしか能のない筆者はエアプランツの自由気ままライフが羨ましくて仕方ありません。

 

3 エアプランツの育て方

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「何となくエアプランツ買ったよ」層が起こしがちなエアプランツ枯死事件を防ぎたい。熱い思いでエアプランツ飼育の極意を真面目にまとめました。

(1)水やり

<時間帯>
水やりは日没後に行いましょう。エアプランツは日中乾燥する地域に自生する種が多いため、昼は水を吸収する気孔を閉じ、日没後に気孔を開く性質があるからです。

<水の量>
週に2回霧吹きをし、月に1回容器にためた水に水没させ3~6時間程度放置する(ソーキング)というやり方が一般的です。
ちなみに我が家では1週間に1度ソーキングを行うのみ、という水やりサイクルですが、どの株も発根や開花をして子株も順調に殖えています。我が家のエアプランツにはこのサイクルが快適なようです。

<重要!後処理>
水やり後は、必ず水切りをしてください。エアプランツは水が好きな植物ですが、水にぬれた状態が長引くことに弱い植物です。概ね2日以上、湿ったままで放置すると腐って枯れたり、病害虫のリスクが高まったりと、エアプランツの健康上よろしくありません。特に株の根元付近には水がたまりやすいため注意が必要です。

<肥料>
肥料は要りません。というのが多数意見ですが、お家のなかで育てる場合は与えたほうが無難です。特に、開花や子株を期待するなら与えて損はないでしょう。筆者は何となく「ハイポネックスハイグレード観葉植物」をあげています。

(2)光

太陽光も要らないと誤解されていますが、要ります。ただし、光の当てすぎも枯れるリスクがあるため加減が大切です。お家の中で育てるなら、直射日光を避けて、明るい南向きの窓際に置いておくとちょうどよい感じがします。

(3)通風

ガラスの容器にエアプランツが入れられている光景を、しばしば目撃します。そのためか、「風通しとか気にしなくていいでしょう」とよく言われますが、風通しはとても大事です。土が要らなくて空気中のいろいろなものに頼っているエアプランツにとって周囲の空気が入れ替わらないことは、嬉しい事態ではありません。

もちろんガラス容器に入れても密閉しない限り枯れることまではないでしょうが、生育は確実に遅れます。開花や子株を期待するなら風通しのよい場所で育ててくださいね。

(4)温度

エアプランツは暑さにも寒さにも強くない植物のため、温度管理も大事です。具体的には、夏は35℃を超えない温度で、冬は10℃を下回らないように管理してください。意識したことはありませんでしたが、こうして見るとエアプランツは意外と注文が多い植物なんですねぇ。


本日のまとめ

エアプランツは土の要らない気安さとバリエーションに富んだ外見が魅力的な植物です。一方で水やり、日当たり、風通しに温度管理と多くの注意点があります。一見、多いように見えるエアプランツの注文を乗り越えた先に、あっと驚く開花や、どこまで殖え続けるのか不安になる子株の誕生ドラマがあるのです。